彼の幸せ。みんなの幸せ。

大輔が初対面か、ほぼ初対面の人に抱っこをせがむ場合、
相手が男性だと、よりスリムな方に
相手が女性だと、より若い方に
先に手を出すという法則に最近気付いた。ただし、例外もある。それは「子供好き」。これはいかなる場合においても最優先される。まぁ、当然の理である。
一昨日、大阪から友人が夫婦で訪ねて来た。
高松に嫁いでいる奥様の姉上の所に、泊りがけで遊びに来たそうで(注:こちらで行われる結婚式に出席する為だったらしい)、いい機会だから会って行こうということになったらしい。(私の住む丸亀と高松は、車で1時間程度の距離にある)3月だというのに、一時だったとはいえ、薄っすらと雪が積もったほどの寒い日、臨月の奥様と一緒に、慣れぬ道をナビを頼りに訪ねてきてくれた友人。嬉しさよりもその気持ちの有り難さに、思わず目頭が熱くなった。
突然の来客に大輔は大はしゃぎ。普段食することの無い、美味しいお菓子も食べられて大満足。時間が来て、二人が帰ることになった時、余程辛かったのか、半泣きで見送ったほどだった。
ところで友人は、私よりも一回り若くてスリムな男性である。そして子供好きである。大輔の抱っこ攻撃が、母でもなく、父でもなく、彼一人に集中したのは、当然の理であった。(そして大輔の現在の体重は14kg)
奥様も私より一回り若くてスリムな子供好きだったが、子供心に「妊婦さんはまずい。」と遠慮したのか、愛想を振り撒くだけで抱っこはせがまなかった。ひょっとしたらその分、友人に甘えまくっていたのかもしれないが、いずれにしても、もっと長く一緒に居たら、絶対におんぶもせがんでいたことだろう。そしてそのまま家中を案内してまわったはずである。鶴亀鶴亀。
「重いなぁ。」
手を出して甘える大輔を、その度に抱き上げながら、思わず呟く彼の、初々しくも微笑ましい後姿を眺めながら、大丈夫、こんなに重い1歳児は、そうそう居ない(っていうかこの体格なら3歳児)、君のベビーはきっともっと軽くて可愛くて、1日中でも抱っこしていたくなるほど愛らしい筈さと、心の中で答える私だった。
(もちろん大輔も可愛いし、十分愛らしいと思うが、だからといって1日中抱っこしていたら、肩と腰と膝に致命傷を負う。)
はしゃぐ大輔と、大輔を優しくあやす二人の姿に、幸せな未来が一瞬、見えたような気がする春の夜だった。
いつかまた、きっと会おうね。