飴と鞭。

大輔には、1日交代で甘えんぼデーがある。
どのくらい甘えんぼかというと、24時間片時も母の側から離れず、遊んでいる時も、食べている時も、眠っている時も、どこかしら母の体に触っていなければ納得しないというくらいの甘えんぼっぷりである。ちょっとでも母が席を立とうものなら、すぐそこに姿が見えているにも関わらず、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして泣き叫ぶので、母は、どこにも行けない。
仕方が無いので、家事はすべておんぶでこなし、トイレもドア全開で泣き叫ぶ大輔をなだめながら用を足し、添い寝すれば、すこぶる寝相の悪い大輔のおかげでどんどんベットの端に追いやられ、幅わずか15cmという大人が横になれるギリギリのスペースで就寝。あまつさえ、右手をがっしり掴まれているので、寝返りを打つこともままならず、当然のことながらほとんど眠れない。辛い。可愛いんだけど、凄く可愛いんだけど、辛い。特に肩と首が。(凝りが極限まで達してほとんどムチウチ状態)
そんなある意味苦行の甘えんぼデーの翌日は、おむつ交換と食事の時以外は特に側にいなくてもOKなマイペースデー。昨日の甘えんぼぶりが嘘のように、一人黙々と遊んでいる。気が付くと、一人で2階に上がってベットに上り、自分の毛布を出して寝ていたりする。昨日は添い寝して、子守唄を歌って、それでも足らずに寝たまま抱っこしてようやく眠ったというのに。(そして母の右手はがっしり掴んだまま)
毎日甘えんぼデーでは、3日で母は壊れそうだし、大輔もたまには一人で遊びたい気持ちになるのかもしれないが、昨日の甘えんぼぶりが嘘のようにそっけなくされると、何だか寂しくなって構いたくなるのも事実。どうせ明日になればうんざりするほどひっつかれるというのに、そして今のうちに休んでおいた方が体の為だというのに、ついつい頼まれもしないのに抱っこしたり、おんぶしたりしてしまうのである。
大輔1歳7ヶ月。早くも母を転がしている魔性の幼児。明日は恐怖の甘えんぼデー。