美味しんぼ。

何だかひどく冷えるので、夕食は体の温まるものにしようと思い、大鍋いっぱいにスープを作ることにした。
まず、シロネギを3本、ざくざくと斜め切りにして鍋の底に敷く。その上に、白菜をまるごと一本、食べやすい大きさにザク切りしたものを入れ、シメジを入れ、粗塩を少し多目に振っておく。
そうして酒と水を半カップずつ入れたら、蓋をして火にかける。最初は弱めの中火で、野菜から水が出てきたら中火にするのがコツだ。鍋の半分ほどまで水が増えたら、包丁の柄で砕いておいた固形スープを5個ほど入れ、一口大に切ったカブをいれ、煮立ったら2カップほど水を足す。再びスープが煮えたところで、肉、魚など、好みの蛋白質を入れて蓋をし、時々灰汁を取りながら、30分ほど煮れば出来あがりだ。
なんだか男の料理のようだが、けっこういける。かなり美味い。このままで食べても美味しいが、仕上げにトマト缶を入れればブイヤベース風になるし、ホワイトソースを入れればシチューになる。もちろん、カレーに仕立て直しても良い。私は白菜が好きだが、キャベツに変えても美味しい。たくさん野菜を食べたい時、料理が面倒なわけじゃないが、ちょっと楽をしたい時、メニューを考えるのが面倒な時、実家から大量の野菜をもらった時、よく作るスープである。
さて、出来あがったスープを大輔と二人で食べ、風呂に入り、まだ帰らない夫の食器をテーブルに並べた後、大輔抱いて寝室に行った。そして、残りのスープを明日、シチューにしようか、カレーにしようか、考えながら、いつのまにか眠ってしまった。
朝、目覚めてキッチンに行き、なにげなく鍋の蓋を取って中を見た。中は空っぽだった。一度蓋を戻し、もう一度開けてみた。やはり中は空っぽだった。
カレーなら30皿分は余裕で作れる我が家の大鍋。その大鍋の3分の2くらい残っていたはずのスープが、綺麗に無くなっていた。
夫よ、その食欲は間違っていないか。