小人閑居して・2。

私は今も昔もずっと昔も、髪の色はナチュラルのままだ。飯島直子みたいなヘアスタイルに憧れて、染めてみようかと思ったこともあったが、目も眉もリアル・ブラック(真っ黒)なのに、髪だけ明るくしてもおかしいだけだと知人に指摘され、確かにそうだと思い直して今日に至っている。
黒髪の長所は、髪が傷まず健康なところ。そして実際はどうあれ、淑女に見られる。(若干の誇張有り)短所はスタイルによっては野暮ったくなるところ。短いうちはそうでもないが、ある程度以上伸びて手入れを怠ると、ひとりでに髪の伸びる日本人形のようになってしまい、怖がられる。特に夜、白っぽい服装でぼんやり立っていたりすると、人によっては腰を抜かすほど怖がられるのが難点だ。(経験有り)
さて、現在の私の髪はセミロングとミディアム・ショートの中間くらいの長さ。感じとしてはちょっと短めの吉岡美穂(ヘアスタイルが)。ただ、前髪のボリュームが若干重めで鬱陶しい。そこで少し短くしてシャギーを入れ、軽くしてみた。(大輔のヘアカット用に、道具は一通り揃っている)我ながら、いい感じだったので、調子に乗って、気持ちボサボサ気味の顔まわりの髪もカットしてみた。
悪くない。いやむしろ、かなりいい感じだ。ただ、気持ち左右の長さが違う。リップラインで揃えて、毛先は少し削いで、あ、やっぱりもう少し短めの方がいいみたい。ちょっとだけ、ちょっとだけ短くして、あと角度ももうちょっと深い感じに(以下略)。
髪を整えるという当初の目的を忘れ、いつのまにか「カットする」という行為そのものに熱中していた私。はっと我に返り鏡を見ると。
・・・・・姫?
人前に出られないほどでは無いにしろ、とり返しがつかないほどでも無いにしろ、微妙な感じのマイ・ヘア。悪くは無い。悪くは無いが、手持ちの洋服が合わない。面白いほど合わない。いっそ70年代風にすれば馴染むだろうか。毒を持って毒を制すとはまさにこのこと。大輔が怖がって泣きそうな気もするが、さて。
どうしたものか。
もう少し伸びれば、それなりに雰囲気が出るかもしれないが、素人が調子に乗ると、時にとり返しのつかないことになるという事実を、今頃思い出して噛み締める私だった。おー、まいごっど。