幸福の種。

何だか今年は嬉しいことがたくさん起こる。後半に入ってから特に凄い。
悲しい事件、恐ろしいニュース、耳を覆いたくなるような話。世界はどんどんおかしな方向に進んでいくような気がするけれど、少なくとも私の周囲には暖かいものが増えている。有り難いことだ。
暖かいものは、暖かい気持ちの種をくれる。種は心の中に根を張って、優しい気持ちの芽に変わる。芽が伸び、葉をつけ葉を増やし、思いやりの花をさかせる。そしてその花が、たくさんの暖かい気持ちの種をつけるのだ。幸せって、つまりこういうことかと、しみじみ思う。
気持ちは連鎖するという。気持ちは繋がるという。それが本当なら、悲しみや憎しみではなく、暖かい気持ちを繋げていけば、きっと世界は優しくなれるのじゃないか。時間はかかっても、道は遠くても、いつかきっと。いつか必ず。
「お、ステーキ!!なんか今日すごい豪華!!おいしそー!!どうしたの?」
「ちょっとね。」
本当は生協の注文を書き間違えたからなのだが、あんまり夫が幸せそうなので黙っておくことにする。私の記憶が確かなら、実に半年ぶりのステーキ。今、夫の心の中では、幸せの種が根を張りまくっている筈だ。世界平和の為にも、じっくり味わって食べ給え。その君の幸せは、明日の誰かの幸せに繋がる筈だから。・・・・多分、きっと。
「おいしー!!!」