男と女の不公平。

夫の健康診断の結果が届いた。毎年会社で行われる定期健診である。どれどれと早速所見欄を見る。

肥満。体重を減らしてください。


・・・・夫。

よくよく見れば、身長は私と9cmしか違わないのに、体重は20kgも違う。結婚前と比較すれば15kg増。なるほどな。道理で体重計に乗りたがらなかった筈だ。しかし。

外見的には、中肉中背の理想的な体型の夫。結婚前の彼を知る人でさえ「ちょっと太った?」くらいの評価なのだ。本当はぽっちゃりなのに。ウエストサイズ88cmなのに。ずるい。ずるいぞ、夫。

とはいえこの超着痩せの原因を解明して応用すれば、年末年始の御馳走を前に「おいしそうだけど、これ、何カロリーだったけ?太るかなぁ、太りそうだよなぁ。」などど悩まずにすむかもしれない。そうだ、そうだよ。そうしたら、お腹いっぱい美味しいものが食べられる。いいぞいいぞ。凄くいい考えだ。

早速、入浴中の夫の体を観察してみる。

「・・・・何?」
「や、気にしないで。気にしないで。」


ほほう。なるほど。こうしてじっくり見てみると、体重の割に鎖骨は綺麗に出ているし、背中にもそれほど肉がついてない。肩のラインもなかなか。二の腕もすっきりしているしむしろ細いといえるのじゃないか。腹部はまぁ、しょうがないとしても、女性と違って腰回りに肉がつかないから、前から見るとほとんどわからないな。脚もお尻も筋肉質だから、太さが気にならない。っていうか膝に肉がついてない分ラインが綺麗に見える。・・・ということは。

「・・・な、何?その熱い視線は?」
「や、気にしないで。気にしないで。」


結論。

男性と女性では骨格・筋肉・脂肪のつき方が全く違うので参考にはならない。っていうか同じくらいの肥満度なら、圧倒的に男性の方が痩せて見える。

ということか。やっぱり夫はずるいと思う。


何だか悔しくなったので、シャンプーをしようと前かがみになった夫の背中に思いっきりお湯をかけてやった。

「何だよ!」
「や、気にしないで。気にしないで。」

君は気付いてないかもしれないけど、凄く特しているんだからな。